I-751申請でインタビューに呼び出される人は少ないようで、相談に乗ってくださった弁護士さんも、経験上全体の10%程度という印象だそうです。私たちがインタビューになってしまった可能性として考えられるのが、
- 1度目のグリーンカード申請の際、インタビューがなかった
- I-751を提出したときの書類が少なかった
ということでした。日本とアメリカを行ったり来たりしている中での申請だったので心配なことも多く、ググってもI-751のインタビューについての記事は数も少なく、中には不安を煽るような記事を見つけさらに落ち込むという無限暗黒ループに陥ることもありました。少しでも誰かの参考になればと思い、インタビューの一連の流れをまとめます。
インタビューで確認されるポイント
インタビューで確認されるポイントとして、以下の3点を弁護士さんに教えていただきました。
- 一緒に住んでいるか
- 財産を共有しているか
- Bona fideか(偽装結婚ではないか)
インタビューにはこれらを証明するものを、追加書類として持っていくことになります。
インタビューに持っていった追加書類
写真は実際に持っていった書類です。これでもかっ!というぐらいの量を準備したら、なんの修行やいう重さのバックパックになりました。中身は以下の通りです。(当日実際に提出したものは青のアンダーラインです)
- 一緒に住んでいることを証明するもの
- 夫婦それぞれのカリフォルニアドライバーズライセンス
- 電気、水道、ガスの請求書
- 夫婦それぞれのクレジットカードの請求書
- 病院の請求書
- 2人宛てに届いた手紙
- 財産を共有していることを証明するもの
- グリーンカードを取得した月から直近までのJoint account bank statement
- 結婚してからの全てのJoint tax return
- 共同名義のアパートメントの契約書全ページ
- 子どもたちの健康保険証書
- 子どものday careの緊急連絡カード(Nobitaと私の連絡先がそれぞれ書かれている)
- Bona fide(偽装結婚ではないこと)を証明するもの
- 子ども2人のBirth certificates
- 結婚式以降の写真。できるだけ2人きりではなく、友人やファミリーと一緒に写っているもの30枚程度。裏には日付、場所、写っている人の名前を記載
- Affidavit letters 4枚(Nobitaの両親、私の親友、Nobitaの親友)
- 家族4人分の飛行機のeチケット。持っているだけ(一緒に旅行していることが証明になるそう)
- Birthday cardやChristmas cardなど、お互いに渡しているカード持っているだけ
- 子ども2人のアメリカのパスポート
- 結婚指輪(毎日身につけていますが、お互いに指輪の裏に掘ってあるお揃いのメッセージを見せられるように)
- その他
- 生命保険証書(お互いが受取人になっているもの)
- Marriage certificate
- メリーランド時代のドライバーライセンスのコピー
これらはあくまで出せと言われたら見せられるように準備する書類です。弁護士さん曰く、こちらから自主的に出す必要はないそうです。しかし、いろいろ突っ込まれた質問をされても「はい、これでっせ!」と証拠を見せられるよう、持っていけるだけ持っていきます。
インタビュー当日の流れ
私たち夫婦は、インタビューの日時と場所が決まった後に引っ越しています。同じカリフォルニア州内ですが、USCISの管轄が変わるレベルの引っ越しです。せっかく2年待ってインタビューが決まったので、住所変更はせず、前の住所ベースで呼び出されたUSCISオフィスに行きました。
2021年11月時点では、コロナ対策のためインタビューの15分前からしか建物内には入れてくれませんでした。私たちは1時間前にはUSCISオフィスに行き、入り口の確認をし、入れる時間になるまで近所のスタバでNobitaと最終打ち合わせをしました。
15分前になると中に入れてくれます。セキュリティーを通って受付へ。受付を済ませると、名前を呼ばれるまで座って待ってください、と待合室へ促されます。
10分もしないうちに、名前が呼ばれ、個室へ通されました。荷物を置いたら立ったままoath(右手を挙げて誓うやつ)です。嘘はつきませんと約束し、そこからは座っていよいよインタビューのスタートです。私たちのインタビューは形式的なもので、15分そこそこで終わりました。
インタビュー終了後はそのまま帰宅。携帯のUSCISアプリを5分おきぐらいにチェックして(笑)インタビュー結果を待ちました。2時間後にはStatusが”New Card Is Being Produced”になり、一緒にランチを食べていたNobitaとNobitaの親友夫婦と喜びを分かち合いました。涙。めっちゃ仕事早いやんお姉さん涙。
インタビューで聞かれたこと
面接官は笑顔が素敵なやさしい方でした。ラッキー!服装もカジュアルで(しかもタイツに大きな穴が空いていた笑)、個室に通される際はバイトかアシスタントの方と思っていたのですが、彼女がoathを始めた際は「君が面接官かいな!」と突っ込みたくなりましたわな。それでも私はガチガチに緊張しており、手が震えていました。
具体的なインタビュー内容はこちらです。
私に対して:
- 名前
- 誕生日
- 住所(この時点では昔の住所を伝える)
- 他に使っている名前
- 別の名前はどういうときに使うか
- なぜ複数の名前を持っているのか
夫Nobitaに対して:
- 重国籍の証明はできるか(パスポートをすべて見せる)
- なぜアメリカとほかの国とで名前が違うのか
再度私に対して:
- 強制送還されたことがあるか、逮捕歴はあるかなど、Noと答えるのが当然の質問いくつか
- 子供のbirth certificateを提出できるか(コピーを提出)
- 子供の名前
- 次男の誕生日(I-751を申請したときには生まれていなかったので、メモをとっていた)
2人に対して:
- いつどうやって出会ったか
- いつ一緒に暮らしだしたか
- いつ結婚したか
- 結婚とmarriage certificateの日付が違うが、なぜか(ペーパーワークと結婚式の日付が違うことを説明)
- 2人で何をして過ごすのが好きか
- 何か追加で提出する書類はあるか(下記4点を提出)
- 写真
- Joint accountのコピー過去2年分
- Credit card statement過去2年分
- Affidavit letter 4枚
写真は結構じっくり見られました。特に裏に書いた”いつ、どこで、誰と”というのをきちんと確認していました。最終的に”You guys are so sweet.”と言って全部返却されました。
Joint accountとcredit card statementのコピーは、グリーンカードを取得してからのもの全て(4年分)持って行きましたが、直近2年分だけで大丈夫と言われました。
最後に「何か質問はありますか?」と言われ、実は最近引っ越し、住所が変わっている旨を説明しました。すると特に管轄が違うなど意地悪なことは言われず、その場で住所変更をしてくれ、「今後の連絡はこちらの住所にしますね」とのこと。
私たちの面接官はその場で結果は教えてくれませんでした。恐る恐る「いつ頃結果がわかりますか?」と聞いたところ、「う〜ん。だいたい2,3日かなぁ。まぁ今からランチ休憩だけど、その後には処理するわ」と言われました。え?それって合格ってこと?と思いましたが、ビルの外に出るまでは飛び跳ねるのは我慢しました。
気をつけるべきこと
インタビューに臨む際、私たち夫婦が気をつけたことはこちらです。
- 嘘はつかない
嘘だけは絶対にしてはいけないことです。Oathで嘘はつかないと誓いますし、嘘がバレた瞬間国外退去になっても文句は言えません。インタビューで答えられないことがないように事前準備をしてくのはもちろんですが、万が一答えられない質問をされても正直に「分かりません」「思い出せません」と言うのが正解です。これは弁護士さんにも念を押されました。嘘、ダメ絶対。
- とにかく資料の準備。めんどくさくても覚悟を決めて準備
中には翻訳が必要であったり、affidavid letterのように人に頼まなければいけなかったりするものもあるので、1日で準備が終わるものではありません。写真もどれにするか選別し、いつどこでと調べて書くのは、時間がかかるしめんどくさいです。しかしめんどくさくても準備です。提出の必要がないかもしれないものになんでこんな時間かけらなあかんねん、とふと思う瞬間もありますが、そこはグッと堪えてとにかく準備!偽装結婚であればこんなにまじめに資料集めないでしょ?ってレベルで準備することで、bona fideの結婚を印象付けることができます。
- 資料は分かりやすく整理
準備した資料を束にすると高さ20cmはあるような膨大な数になりました。「XXを提出して」と言われたときにすぐに出せるように、付箋やクリップで自分に分かりやすいようにカテゴライズしてバッグパックに詰めました。インタビューの最中にもたもたして印象が悪くなっても怖いのでね。
- インタビューの反復練習
当然かもしれませんが、インタビューで聞かれるであろう想定問題集を作って夫婦で何度も練習しました。いつも勢いで話している英語も、正確に伝わる文法で話せるようNobitaに特訓してもらいました。
- インタビューの10日前から確実にアメリカ国内にいるようにする
原則インタビューの呼び出しには確実に応じなければいけませんが、現在はコロナ対策のため、症状があったり陽性反応があったりした場合、別日に変更するよう言われます。またインタビューの日から10日以内に海外への渡航は控えるようにもレターに書かれています。実は私、気をつけたつもりだったのですが、計算を間違え、アメリカに再入国したのが9日前だったのです。受付の際に、「10日以内にアメリカ国外出た?」と聞かれ、嘘はつけないし、ついたところでパスポートを見ればバレてしまうので「Yes」と答えるしかありませんでした。受付のおっちゃんはびっくりした顔をして、3回も同じ質問をしてきましたが、何回聞かれてもYesなんです涙。でもfully vacctinated(ワクチンカードも持っていた)です、と泣きそうになりながら訴え、なんとかその日のインタビューを受けさせてもらえました。本当に焦りました!これからインタビューの方、くれぐれもインタビュー直前はアメリカ国内で過ごしてください!
- 子どもの預け先を複数確保
インタビューに子供は連れていけません。私たちは飛行機に乗ってインタビュー会場まで行かなくてはいけなかったため、事前に1泊2日で子ども2人の面倒を見てくれる人を確保する必要がありました。コロナ渦なのでなおのこと、バックアッププランも考えていくつか預けさせてもらえるところを確保しておきました。私たちは引っ越したため、遠いオフィスまでインタビューに行かなければなりませんでしたが、例えUSCISオフィスが近くであっても、インタビュー前後、数時間の間子どもを見てくれる人を確保する必要があります。
- 服装
まじめに見えるように夫婦共々ビジネスカジュアルで行きました。Nobitaはスーツ、私もワンピースにジャケットを羽織りました。でも当日USCISに行ったらフーディにジーパンなど、カジュアルな格好の人も多かったです。
- USCISオフィスに入ったら英語しか喋らない
私たち夫婦は普段日英ミックスのルー語で会話していますが、USCISオフィスに入ってからは英語しか喋らないようにしました。というのも、面接官や面接に関わる人たちに、知らない言語でコソコソと相談していると思われたくなかったからです。
- 最後は堂々と
準備をするだけしたら、もう後は堂々とするのみ!悪いことは何にもしてないのですから、堂々と聞かれたことに答えましょう。
さいごに
まさか自分達がインタビューに呼び出されるとは思っていなかったので、私たちには怪しまれる理由があるのか、もしdenialになったらどうしよう、と本当に緊張しました。しかし弁護士さん曰く、denialをするにしても、それ相応の証拠がないとダメだというルールがあるのと、私たちの場合、明らかにbona fideと分かるので心配しなくて大丈夫と背中を押してもらいました。面接官もプロなので、怪しいカップルはすぐに分かるそうです。終わってしまった今だから言えますが、何もビビることはなかったなぁと思います。これからインタビューを控えている方、準備と練習をバッチリして、堂々と臨んできてくださいね。
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