次男の妊娠が分かったときは、2回目の妊娠やし余裕しゃくしゃく〜なんて思っていたのですが、アメリカでの妊娠は初めて。戸惑ったり焦ったりしたこともありました。
1. 病院選び
まず最初に躓いたのが病院選び。これ、アメリカで妊娠された方はみんな通る道だと思うのですが、日本みたいに病院選びたい放題じゃないんです。
自分の入っている保険がカバーしてくれる病院に行かないと、とんでもない請求額になります。なので、まずは自分たちの保険でカバーされる病院を知らなければいけません。保険会社のサイトに行けばリストがあります。そして健診や出産にかかる費用はすべて保険次第。
リストをチェックして行ける病院は分かったけれど、地元でもないし、ネットで口コミを調べてもどこも似たり寄ったりで、どこに行くべきか決められず。
そして次のステップ、友人知人聞き込み作戦。たまたま妊娠が分かった直後に夫Nobitaの友人宅でホームパーティがあり、赤ちゃん連れや妊婦さんが何人かいたので、通っている産婦人科と評判を聞きました。まだ妊娠を発表したくなかったので「2人目を考えてるんだけど、いざってときにどこに頼ればいいか情報を集めておきたくって〜」なんて言って聞いたのですが、きっと勘のいい子にはバレていたやろなぁと思います。
ところが、このパーティーで話したママたち、
Johns Hopkins
Mercy
Kaiser
UMMC
と、見事に全員違う病院。そして、みんな口を揃えていいドクターだし紹介するよ?と言ってくれました。ありがたや。ママたちが通っている病院は、どれも私の保険でカバーされるし、それぞれが教えてくれたメリットも魅力的で、結果余計に迷うハメに。
そして次のステップ、Nobitaの同僚に聞き込み作戦。Nobitaに、子供がいる同僚に、どこの産婦人科に通ったか聞いてもらいました。結果みんなそれぞれ違うところに行ってるし、みんなどこもいいよ〜って言ってる、とのことで、全くもって参考になりませんでした。
最終的にはNobitaと相談して
- 家から通いやすいところ
- 治安が比較的よさそうなところ
で選びました。最初は仲のよかったママがJohns Hopkinsに通っており、かつ天下のJohns Hopkinsやしな〜とJH病院に心が傾いていたのですが、Johns Hopkins周辺は道を隔てていきなり空気が変わるぐらい危険そうなエリアと隣り合わせということもありやめました。結局、別のママが教えてくれた病院を選びました。長男かかえて私一人で行く場合、とかを考えると、治安がいいっていうのは必須条件でした。
とにかく、病院選びは保険が効くところが絶対条件です。
2. First Trimester Screening、受けますか?やめますか?
初期の妊婦健診で、First Trimester Screening、いわゆる先天性異常を調べる検査をやりますか、やりませんか?とその場で選択を迫られ焦りました。その検査ではダウン症、18トリソミー、13トリソミーの確率が分かるとのこと。日本は医師や病院によると思うのですが、こちらからやりたいと声にしない限り、積極的に勧められることはあまりない気がします。予想していなかった質問に
受けるべきですか?みなさんどうされてますか?
どっちでもいいですよ。結果を知った方が今後のオプションは増えますね(結果によっては妊娠を中断するという選択肢もできるという意)。特に検査を望まない人もいますし、妊婦さんそれぞれです。
出たーどっちでもいい。そもそも保険がカバーするのかも分からなかったし、判断材料がなさ過ぎて即答できず、
後日電話で回答してもいいですか?ちょっと今決められません。
OK~。でもラボの予約もしないといけないし、13weekまでしかできないから早めに決めてね。
という感じで、仕事ができない人間の伝家の宝刀「持ち帰ります」をかまして帰路につきました。帰ってからググるググる。そして何人かの友人に相談したところ、みんなした、とのこと。むしろしなかった人が周りにいませんでした。
念のため保険が効くか保険会社に電話したら、とんちんかんなオペレーターに当たってしまって
オペレーター
検査結果に異常があれば保険でカバーします。異常なしだったら自費です。
とか訳の分からないことを言われ、特大のため息をふぅ〜っと。
んな自費やった場合いくらぐらいになりますか?
オペレーター
Depends. 検査の内容次第です。
いや、だから、XYZ病院の産婦人科のFirst Trimester Screeningです。人によって検査内容多少違うのかもしれないけど、だいたいroughly,どのぐらいのレンジの費用になるのかしら?
オペレーター
Ummm, 分かりません。
あんたが分からんかったら誰が分かるんやー(怒)。これアメリカあるあるですけど、保険が本当にややこしい&オペレーターによって言うことが違うんです。保険が効くか効かないかでこちらは検査を受けるか受けないかの判断をしたいのに。しかも、検査結果によってカバーするかしないか決まるってそんなアホなことあります!?検査そのものに対して費用がかかるんちゃいますの?この人と話してても埒が明かないと思い、いったん電話を切ります。
病院に電話し、
保険が下りるか分からないんだけど、First Trimester Screeningってだいたい自費でいくらぐらいしますか?
オペレーター
あなたの保険○○でしょ?保険で全額カバーされるわよ。
全額カバー。全額カバー。全額カバー。。。
保険会社のねぇちゃんとのやりとりの時間は一体なんやったんやー!
と怒り狂ってNobitaに「保険会社終わっとんねん!」と怒りをぶちまけ、冷静さを取り戻したところできちんと相談。
Nobitaは
検査結果を知って損はないと思うけど、Babyの身体に関わることだから、基本的にはBabyに判断を委ねる。
と。私は迷いに迷いましたが、もしお腹の赤ちゃんに異常があることが分かるのなら、今知りたいと思い、受けることにしました。もし異常が見つかったらどうしよう?という不安もありましたが、その時はその時で考えようと言い聞かせました。
3. シュガー気にしてデブ気にせず
アメリカの妊婦健診で必須項目のグルコーステスト。おぇっとなるぐらい甘いグルコース入りの液体50gを一気飲みし、1時間後の血糖値の上昇率を見るテストです。
数値が140以上で再検査のところ、私の結果は143。このぐらいの差異なら許してくれ、ゆるっとアメリカ♪ 、と思っていたのですが、問答無用で再検査でした。
検査前にごはん食べて行ったし、ラボが閉まっちゃうからっていう理由で、1時間待たずに45分で採血したの。だから1時間待っていればきっと大丈夫やったと思うの!
と、主治医にはひっしのぱっちで言い訳しましたけれど、
I see~, but 再検査ね。
と笑顔で一蹴されました。再検査の何が嫌ってね、
- 病院に3時間以上缶づめ
- 甘い液体100g一気飲み(初回の2倍!)
- 採血4回(グルコース飲む前、1時間後、2時間後、3時間後)
なんですのこの三重苦。そしてもしこの再検査でひっかかると妊娠糖尿病扱いになり、
- 出産まで1日4回、毎日血を出して血糖値を記録する
- 厳しい食事制限
という恐ろしい日々が待ち受けているのです。
友人が再検査でもひっかかり「妊娠糖尿病」と診断され、この恐ろしい日々を過ごしていたわけですが、彼女曰く「マジだるい」とのことでした。何よりもチキンな私は毎日ブスっと自分に4回も針刺せる自信がない。怖すぎる。その友人は
とにかく血糖値を下げなきゃいけないから、待ち時間の間、なるべく動いて。病院によっては待合室から出るなって言われると思うけど、その場でストレッチするもよし、トイレ行くフリしてお散歩行くもよし、とにかくなんでもいいから動いて。そしてトイレで水をがぶがぶ飲む。本当はダメだけど、飲む。あとは自分の体に血糖値よ下がれと言い聞かせるんだ。
と、とんでもないアドバイスをもらいました。妊娠糖尿病の診断のためには正確な血糖値の減少率を見なければいけないので、彼女のアドバイスはダメ絶対です。笑。
かく言う私、検査にひっかかるのが嫌すぎて、「出産する病棟の確認しておこう」「入院中お世話になるかもしれないから病院内のキオスク確認しておこう」「駐車場も確認しておこう」とあれこれ言い訳を考えては、病院内をお散歩しましたよね。
結果はTada~ この通り。
優秀ですや〜ん。見事パスし、食事制限と採血の日々は免れました。
病院にいると本当にびっくりするほど体の大きい妊婦さんもいて、でもグルコーステストは大丈夫だったわ〜とか言っていて、ほんまかいな!とツッコミたくなりました。
体重制限はゆるゆるやのに、血糖値には厳しいと実感した出来事でした。
4. 越境買い物は危険
メリーランド州はお酒がリカーショップでしか買えないため、お酒好きな私たちはよくヴァージニア州やデラウェア州のCostcoやTrader Joe’sに買い物に行っていました。東京に住んでるのに、わざわざ千葉や栃木に買い物に行くような感じでしょうか。臨月になってからも変わらずのノリでお隣デラウェア州のCostcoに行っていたわけですが、Nobitaがふと
今、生まれそうとかないよね?
ん?ないけど、臨月だし、いつ破水したり産気づいたりしてもおかしくないよ。
もし生まれそうならすぐ言ってね!今違う州にいるから、もし救急でデラウェア州の病院に運ばれたら保険カバーされないかも。
えーーーーーーーーーーー!?
私たちが加入していた保険はメリーランド州の保険なので、違う州で病院に行った場合はカバーされない場合もあるのです。保険が効かなかったらとんでもない額を請求されるので、買い物を終えて無事にメリーランド州に入るまではドキドキでした。加入している保険の種類にもよりますが、臨月に入ってからの州を跨ぐお買い物は気をつけなければいけません。
5. 陣痛が来た場合の病院へ行くタイミング
臨月に入り、もういつ生まれてもおかしくないという頃の健診で主治医から
陣痛が5分間隔になったら病院に来てね〜。
と言われました。え!?5分間隔?
私、今回2回目の出産ですけど、それでも5分間隔ですか?
そうだよ。何か問題でも?
日本では10分感覚になったら病院へと言われるので、5分間隔って間に合うの?と不安になったのでした。しかも私経産婦ですし。アメリカでは出産経験に関係なく、5分間隔の陣痛になったら病院に行くというのが通常です。友人に聞いても5分間隔が普通だよ〜とのことだったのですが、不安を払拭しきれない私は密かに「10分間隔になったら病院行こう。病院で待機しよう」と心に決めていました。結局計画分娩になってしまったので、無意味な心配だったのですけれどね。
6. 君そのネイルで採血するんかい
出産する際、陣痛促進剤を入れる前に看護師によるチェックと採血があったのですが、私の部屋に入ってきたナースの爪を見てびっくり。それ日常生活支障あるでしょう?レベルの長ぁぁぁい爪。
あなたそんな爪で私の身体触るんかーい!これNo joke, 大袈裟でもなんでもなく、上の写真よりも長い爪の看護師さんでした。パソコンにデータ入力する際も指を立ててカチカチ言わせながら打ち込んでて驚愕。看護師さんが席を外した瞬間、すかさず
まさかやけど、あの爪で赤ちゃん取り出さんよな!?私の身体触らんよな!?!?
いやぁさすがに俺もびっくりした。たぶんアシスタント的なポジションの人で、今の問診で終わりじゃないかな?さすがに赤ちゃん産むのを手伝う爪じゃないでしょう。たぶんだけど……
不安ー!あれは嫌ー!!
というような会話を夫婦間で繰り広げましたよね。自由な国アメリカですが、あれはさすがにアウトでしょう!?そして部屋にその看護師が戻ってきたと思ったら、手に注射器持っているじゃないですか。あの芸術的に長くかつショッキングピンク色に塗られた爪で採血されました。怖かった(涙)。
結果Nobitaの推察通り、長い爪のおねぇさまは最初の問診と採血だけで、出産そのもののお手伝いをしてくれる看護師さんたちは、衛生的な爪をしていらっしゃいました。ホッ。
以上、二度目の妊娠とはいえ国の違いで勝手が違うことも多々あり、戸惑うことも多かった妊娠生活でした。
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