もともと長男はしょっちゅう熱を出す子でした。日本の保育園では生後6ヶ月を皮切りに、人並みに熱を出して休んでいたし、アメリカの保育園では毎月熱で休む日がありました。
アメリカに住んでいた頃は毎月熱で保育園を休むとはいえ、発熱と同時に鼻水や咳など、いわゆる風邪の諸症状がありました。発熱もだいたい長くて3日。そして息子が熱を出すと、だいたいクラスの誰かも休んだり、保育園で風邪が流行っていたりしていました。基本的に主治医からは「とりあえず3日以上熱が続いたら見せに来て〜」と言われており、熱が長引いた際に稀に病院に行くこともあったのですが、その際も「ear infectionしてるね〜。抗生物質10日間ちゃんと飲んでね〜」「熱があんまりにもしんどそうだったらtylenol(解熱剤)飲んでね〜」ぐらいの対処療法で過ごしていました。
余談ですが、2歳の頃、日本に遊びに行っていた際に急性扁桃炎で入院したことがあり、そのことをアメリカの主治医に報告すると「え?扁桃炎で入院したの!?」(ニュアンス的には扁桃炎”ごとき”でという感じ笑)「本当に扁桃炎だけ?」「川崎病とかじゃなくて!?」と何度も何度も確認されました。正直「そこまで驚くこと?」とこっちがびっくりしましたが、夫曰く、
アメリカはちょっとやそっとじゃ病院行かないし、入院=大病ってイメージだから、確かに扁桃炎で入院って大袈裟に聞こえるかもね〜。
ですって。なんにせよ、アメリカの主治医からも特に変な病気を疑うような話はなく、長男はいわゆるよく風邪をひく子、でした。
PFAPAの兆候の始まり
アメリカでコロナがヤバくなり出した頃、日本に引っ越すことを決意。日本に無事入国してからは2週間の隔離生活がスタート。そんな中、入国後1週間で長男発熱。39.4°。 ほんまかいな!夫ともしもの場合の連絡先、病院、次男のお世話担当など緊急時フォーメーションを確認。なぁんて緊張感あふれる1日を過ごして次の日起きたら、長男の熱はすっきりさっぱり下がっていたのです。この日を皮切りに長男の意味不明な急な発熱が始まったんだと記憶しています。
コロナへの警戒もあって、この時からもしものために、息子の熱の記録を取っていました。発熱をし始めたらなるべく朝昼晩検温し、下がるまでの記録をつけるようになったのです。後々これがPFAPAを疑い出す一つの資料となり、役に立ちました。昔からあまりにもしょっちゅう風邪をひいて熱を出していたので、当時はあぁまたかぐらいに思っていたのですが、今振り返ればこのときは風邪の諸症状が発熱以外なかったのですよね。咳が出ない、鼻水も出ない、普段と同じようにはしゃいで遊ぶ……。ほんまに39°もある!?と疑ってしまうぐらい元気いっぱいだったのです。あまりの元気よさに、体を触るまで熱に気づかないレベルでした。コロナも怖かったので味覚がおかしくなっていないかも様子を見ていたのですが、「りんごゼリーとぶどうゼリーどっち食べる?」「ぶどう!」と選り好みをしていたので、味覚も大丈夫なのかなと思っていました。
PFAPAが疑われるまでのタイムライン
4月:意味不明な高熱が1日だけ、1週間に1回ペースで計4回。
5月:高熱が3日続き、かかりつけ医に電話で相談したところ受診することに。咳や鼻水なし。喉の腫れと扁桃腺の腫れあり。溶連菌とアデノウイルスの検査をした結果、溶連菌にうっすら陽性反応があったとのことで、抗生物質(ワイドシリン細粒)を処方される。溶連菌であれば抗生物質投与後1日以内に熱が下がることが多いそうだが、息子には即効性は見られず、合計6日間高熱が続く。食欲は著しく低下。牛乳をすこぶる飲む。ゼリーやアイスなどとにかく食べられるものだけ食べてもらう。しかし元気はありあまっており、外に連れていけ、遊びに行きたいと騒ぎまくる日々。解熱後は食欲も戻り通常運転。
6月:高熱が3日続きかかりつけ医を受診。咳や鼻水なし。喉の腫れと扁桃腺の腫れあり。溶連菌、アデノウイルスいずれも陰性。念のため抗生物質処方。食欲低下。牛乳、水はいつも以上に飲む。元気なスイッチが入っているときとぐったりしているときがある。しんどそうで寝られない日があり、その際は解熱剤使用。高熱は合計4日続く。解熱後は食欲も戻り通常運転。
この頃から、ちょっとさすがにおかしくない?と不安になってきました。保育園も行っていないし、私たちはバリバリ自粛モードで公園すら行かず、外に出るのも家の前で遊ぶときのみ。このときはまだ買い出しも私か夫のどちらかが代表で行くようにしていたし、夫もリモートワークのため基本在宅。こんな生活で一体どこから病原体を貰ってくるわけ?常在菌にも負けちゃうぐらい弱い子なの?熱以外は風邪の症状もないし、なんなの?と不安に駆られ、夜な夜なネット検索をしていましたが、これと言ってピンとくるものを見つけることはできませんでした。
7月:高熱が出るが1日で下がったため様子をみる。1日空けてまた高熱。ここから3日続いたためかかりつけ医を受診。咳や鼻水なし。喉の腫れと扁桃腺の腫れあり。溶連菌陽性。尿検査の結果血液とたんぱくの混入を確認。抗生物質処方。抗生物質投薬後1日で解熱。合計5日間高熱が続く。食欲低下。牛乳、水はいつも以上に飲む。いつものような元気はなく、発熱中はボーッと過ごすことが多かった。解熱後は食欲も戻り通常運転。再度尿検査の結果、異常なし。
尿検査でひっかかったのが怖くなり、またもや検索しまくる日々。医師からは尿路感染症等の可能性を考えるため「お腹や背中を痛がったりしませんか?」と聞かれるのですが、特に痛がる素振りはなく。ただ長男は言葉がとても遅いのでうまく私たちに訴えられないだけなのかもしれない……。腎臓の病気で腎不全になる、なんていう記事も見つけてしまい、もうそうれは不安になりましたわな。
8月:高熱を出すが1日で解熱。数日後また高熱を出す。丸3日経っても下がらないためかかりつけ医を受診。咳や鼻水なし。喉の腫れと扁桃腺の腫れあり。溶連菌、アデノウイルスいずれも陰性。このとき初めて「今までの経過を考えると、PFAPAという抗体の病気も可能性としては考えられます」と教えてもらう。抗生物質処方。投薬後も解熱せず。2日後再度かかりつけ医受診。尿検査の結果血液とたんぱくの混入あり。精密検査のため紹介状を書いてもらい大学病院へ。大学病院にて血液検査と尿検査の結果即日入院。夜には解熱したが、念のため点滴で抗生物質投与。熱は合計6日間。検査も兼ねての4日間入院。この時の入院であらゆる検査をし、小児科の担当医からPFAPAの可能性について説明を受ける。(長くなりそうなので入院については別記事で書こうと思います。)
9月:入院した大学病院でリウマチ膠原病の専門医を受診。この先生に「私はPFAPA症候群を”強く”疑います」と告げられる。かかりつけ医の先生も、小児科の担当医も、「可能性が”考えられる”」というニュアンスで教えてくれていたけれど、専門医の先生がこうおっしゃるのなら可能性は高い部類にはいるのだなぁと解釈する。とりあえず経過観察。微熱が1日、高熱が1日出た日があったが、連続での発熱はなかった。
10月:今ココ。経過観察中。
さいごに
まとめると、
- 毎月高熱がでる
- 熱が3日以上続く
- 溶連菌でもアデノウイルスでもないときがある
- 抗生物質が効かないときがある
という状況が続いたことから、感染症やその他考えられる病気を診断する検査をたくさんしました。その結果、数字も画像も特定の病気を示すものはなかったんですよね。なので現時点で「PFAPA症候群の疑い強し」という状態で経過観察をしています。このままPFAPAと診断が下ればそれなりに病気との付き合い方を考えていかなければならないし、やっぱり違うとなればそれはそれでじゃあなんなん!?と不安になりそうですが、慌てずゆっくり様子を見ていこうと思います。
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