最近気になるラボグロウンダイヤモンド

diamond アメリカの生活

近年ちらほらと耳にするようになったラボグロウンダイヤモンド。

一体どんなもんなのよ?と気になって情報収集をしていたところに、今月頭、タイムリーなニュースが。

「世界最大規模のジュエリーメーカーであるパンドラ社、採掘されたダイヤモンドの取り扱いを止めると発表」

Pandora, world's largest jewelry marker, will no longer use mined diamonds
Fortheworld'slargestjewelrymaker,diamondsmadeinalaboratoryareforever.

この記事によると、扱うジュエリーのダイヤモンドは天然からラボグロウンに変えていくとのこと。理由はパンドラのジュエリーをもっと安く、手に入りやすく、そしてサステイナブルにしていくためなのですって。

ラボグロウンダイヤモンドとは

ラボグロウンダイヤモンドとは、英語で言うとLab(Laboratory)-Grown Diamonds. “研究所で育った”、つまり、人工的に作った合成ダイヤモンドのことです。まぁ、Labは研究所のことだけれど、実際のところ工場で作られたダイヤモンドと言った方がニュアンスは近いかと思います。

天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの違い

ラボグロウンダイヤモンドは人工とは言うものの、成分は天然のダイヤモンドと全く同じで、いずれも科学組成は炭素です。科学的(屈折率など)な特性ももちろん同じ。宝石屋の友人に聞いたところ、天然とラボの肉眼での見分けはほぼ不可能とのこと。

天然ダイヤモンドとの最大の違いは作られる環境。天然ダイヤモンドが気の遠くなるような長ぁい年月をかけ、地中で育ったものである一方、ラボグロウンダイヤモンドは文字通りラボで数週間で出来上がるものです。

ラボグロウンダイヤモンドのメリット

安さ

まずラボグロウンの最大の価値は、手の届きやすさにあると思います。天然に比べてとても安い。例えばデビアス傘下のライトボックス(https://lightboxjewelry.com)では、$800/カラット($1=¥100計算で、8万円)と、驚きのお値段設定。気になるグレードは

  • Color: Near colorless
  • Clarity: VS
  • Cut: Very Good

の品揃え。ダイヤモンドは顕微鏡や鑑定書を貼り付けて身に着けるものではありません。何をどこまで求めるかにもよりますが、パッと見肉眼で分からないのであれば、これは大変お買い得と思ってしまいます。

エシカルジュエリー、かつサステイナブルジュエリー

カタカナ言葉を並べてしまいましたが、ラボグロウンダイヤモンドはエシカル(倫理的に正しい)ジュエリー、かつサステイナブル(環境にやさしい)ジュエリーです。

紛争ダイヤモンドという言葉をご存知でしょうか。ダイヤモンドは高値で取り引きされるため、内戦中の国がダイヤモンドの売上金を武器購入に充ててしまい、紛争を長引かせる要因となっていることがあるそうです。自分の支払ったお金で武器が購入され、紛争を長引かせているとすれば、戦争に加担しているのと同じこと。その点ラボグロウンであれば出どころがラボなので、安心して購入することができます。

また天然ダイヤモンドの採掘作業自体が、自然環境に負荷を与えているとも考えられます。平たく言えば、実際に地球に穴を開けているわけですからね。この点もラボグロウンはラボで作られるため、環境にやさしいという点で評価されるそうです。

天然ダイヤモンドと変わらぬ輝き

ジルコニアやモアサナイトなどの成分からして違う人工物と違い、天然とラボグロウンの見た目は肉眼ではわからないほどの美しさです。

ラボグロウンダイヤモンドのデメリット

セカンドハンドの価値がない

現時点ではの話ですが、手元にあるダイヤモンドがいらなくなった際、売りに出そうとしても、天然と違ってラボグロウンは買い値がほとんどつかないようです。天然は資産価値がありますが、ラボグロウンはそうではありません。

天然とラボグロウンの見分け方

先にも書きましたが、天然とラボグロウンの違いを肉眼で見極めることは困難だそうです。ただし、GIAなどの鑑定機関ではきちんと判別が可能だそう。また、上でも述べたライトボックスの商品は、天然ダイヤモンドとの違いを明確にするため、0.2カラット以上のラボグロウンダイヤモンドには肉眼では見えない刻印が入っています。

さいごに

“いつかは大粒の天然ダイヤモンド”、と天然への憧れはありますが、ラボグロウンダイヤモンドはデイリーに、よりカジュアルにジュエリーを楽しめるきっかけになるのかなと思います。

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